2009/07/31 金

語彙力のつけ方 -英語・古文・漢文-

語彙力をつけるために必要なこととして主に二つのことが考えられます。
1)たくさんの文章にあたる=文中で多くの語彙にあたる
2)応用が利くかたちにする=字義の本質やイメージで理解する

これは英語・古文・漢文に共通することだと考えます。ここでは受験を念頭に、特に2に関して、どのような方法をとるべきかを紹介します。

◆辞書を引く
語彙学習の基本は辞書引きです。特に英和・英英・国語・漢和辞典あたりは語彙力をつけるために重宝すると考えます。その際に重要なこととして
A)用例・例文で確認する
B)多義語を拾う

さらにそこから発展させて
C)もともとの字義や由来・成り立ちを確認する
D)多義語の場合は抽象化・イメージ化する

以上を心がけるとよいでしょう。ただ「わからないときに意味だけ(見出し)だけを調べる」という行為は“その場しのぎ”でしかなく、あまり後に残る方法ではないことを自覚してください。

Aについては、特に英語にあてはまります。例文を確認することで、実際に調べた単語を印象付けます。さらには語法などもあわせてチェックできるのでおすすめです。

BやDについて。元来、言葉というのは、いくつかの意味や使われ方を持っている場合が多く、さらに英語が日本に輸入され、なかば無理やりに日本語をあてはめたという経緯から考えても、一つの単語に色々な訳があることは当然のことです(ちなみに漢字も中国から伝わったものです)。また、文章全体で訳すときを想像してみれば、一つの単語の訳し分けは避けて通れないですから、なおさら意味のバリエーションを把握しておいた方が有利なわけです。ただし、たくさんの意味を覚えることはたいへん。だからこそ、いくつかの意味を確認し、そこからイメージング・抽象化することで暗記の手助けとなり得るのです。

Cについて。まず日本語、すなわち現代文および古文における単語の凡そは漢字から成り立っている、あるいは漢字を由来にしています(漢文の場合は尚更然り)。そういった観点からも、漢字の確認と漢和辞典での意味調べは国語の全科目共通の語彙力強化につながります。ぜひ、漢和辞典で、もともとの意味や、その多義、熟語などについて調べてみてください。
また、英語については、接頭語・接尾語、由来語・派生語などから意味確認をするアプローチがこれにあたります。


さて、以上から、さらに発展させた語彙学習を次に紹介します。

E)分類の利用 ex.)類語辞典等の活用
F)作文(=アウトプット)

そうはいっても、なんだかんだたくさんあり過ぎる単語。そう簡単に覚えられない、あるいは使えない、ということもあるでしょう。たとえば英語で、和訳はできるけど、英作文ではなかなか単語が出てこないなんてこともよくあると思います。そういうときは、和英辞典や英英辞典を使うものですが、そのとき“一つの単語”から同義語や類義語がいっぺんに見つかりませんか?

*和英辞典での例・・・「目的」という言葉を検索すると
→ a purpose, a goal, an objective, an aim, an end, a target ・・・
と、同じような意味の単語が紹介されるわけです。実際この機能は語彙学習にとって便利です。同様に単語集でも同義語・類義語が併記されていることがあると思います。また、違う言い回しを考えたいときなどに使う類語辞典も語彙力向上に一役買ってくれるはずです。

このように、英語でも日本語でも作文するときに、実際考えたり調べたりする行為は、語彙力UP、そして定着・運用力UPにも効果的です。*作文のときは辞書中の用例を参考にするとベストです。

◆単語集の利用
単語集は辞書をコンパクトに覚えやすくしてくれた便利な教材です。短期間で語彙力を上げたい場合やチェック用としてぜひ活用してください。

まず英語について。形式も含めて種類が多く出ているので、それぞれの特性に合わせて使って欲しいのですが、ただ単にチェック用に使うのであれば、頻出度や難易度に沿ったものなど何でも構いません。要検討なのは、単語集をメインで覚えていきたい場合。そのときは、できるだけ例文や文章が併記されている方が覚えやすいと思います。先述の内容からもそう思います。

古文について。市販の古文単語集はよくできていて、漢字を主とした字義の解説やイメージを丁寧に書いているものが多い気がします。その利点をうまく活用してください。

漢文について。実際受験に際して、漢文特有の語彙というのは僅かな数に限られている(句形集の付録として掲載されているもので十分)ので、むしろ漢文学習の基礎となる漢字を学習することの方が大切だと思います。漢文学習の際は、ぜひ漢和辞典を使ってみてください(字義と併せて訓読みを要チェック)。

ちなみに漢字の読み書き練習については、それ向けの問題集やポケット参考書を利用してください。ただし、やはり語学学習にとって辞書こそが王道だということを最後に言わせていただき、この話を締めさせていただきます。

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